先日、クリスチャン・ツィメルマンのピアノリサイタルに行ってきました🎹

チケットを購入した時点ではプログラムが公表されていなかったのですが
11月に入り、私の大好きなシューベルト『即興曲 Op.90』が演奏されることを知り、大興奮。
さらに他の曲目は当日発表とのことで、期待に胸を膨らませて当日を迎えました。
仕事終わりに川崎へ向かい、会場に到着すると平日とは思えないほどの人。
パンフレットを見ると
後半はさまざまな作曲家の前奏曲
さらに前半の終わりにはドビュッシー『アラベスク』と『月の光』が予定されており
ワクワクが止まりませんでした。
席は3階で、演奏者の背中が見えるような位置。
それでも開演後、広い会場にピアノの音だけが響き渡った瞬間、空気が一気に変わりました。
最初の強い一打から始まり、次の瞬間には単音だけの緊張感。
自然と音楽が紡がれていく中で
特に『即興曲 Op.90-3』では気づけば涙が溢れていました。
ハンカチを持って行って正解でした。(笑)
そして『90-4』は私にとって特別な1曲。
それを生で聴けたことは、一生忘れられない体験です。
曲をどう弾くか
それはピアノを弾く者にとって永遠のテーマですが
本物の演奏を聴くことは最大の学びですね。
前半最後のドビュッシーの2曲。
『アラベスク』は流れるように儚く、まるで一瞬で通り過ぎていく風のよう。
『月の光』は濃い夜空に浮かぶ月が光っている光景が目に浮かび
音がしているのに静寂を感じる不思議な空気でした。
この2曲は、一見簡単そうに思えるかもしれませんが
人の心を動かす演奏をするのは決して容易ではありません。
だからこそ、この日の演奏を聴けたことは宝物のように感じています。
休憩後の後半は前奏曲がなんと19曲!

どの曲も聴き入ってしまいました。
特に心に残ったのはこの6曲です。
- バッハ:前奏曲 第1番 BWV846
- ショパン:前奏曲 Op.28-15「雨だれ」
- ショパン:前奏曲 Op.28-16
- ドビュッシー:ミンストレル
- ラフマニノフ:前奏曲 Op.32-12
- ラフマニノフ:前奏曲 Op.3-2「鐘」
バッハの1番は、360度からお客さんに囲まれた状況で弾く勇気……。私にはありません。
録音して毎朝聴きたくなるような演奏でした。
『ミンストレル』は聴くのも弾くのも楽しい曲で、思わず踊り出したくなるような軽やかさ。
最後のラフマニノフは圧倒的な迫力で
『鐘』では文字通り鐘の音が鳴り響くような広がり。
最後は静かに消えていき
響きが完全に消えるまで誰ひとり息を飲むように聴き入っていました。
ピアノの蓋が閉じられた瞬間
「アンコールはないんだな」と少し寂しさが……
でも、その気持ちを打ち消すくらい大きな拍手を送りました。
家族と一緒に行ったのですが
終演後に感想を語り合えるのはやっぱり幸せですね。
一人だと共有できませんから。
良い音楽を聴くと心が満たされて、お肌がキレイになって若返る気がします。
(この2日後に風邪をひいてしまうのですが…笑)
毎晩クラシックコンサートに行きたい
そんな気持ちになるほど、すばらしい夜でした。

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